2017年2月26日日曜日

シャトー赤柴「川口の技と美」展に行ってきました

 昨日から始まったグリーンセンターのシャトー赤柴で始まった「川口の技と美」展に行ってきました。日頃から芸術とは縁遠い僕が、何百年に渡る技法を引き継ぐ匠の作品を鑑賞しようというのですからうまく紹介できるはずがありませんが、とにかく見たままを報告します。
 
「川口の技と美」展
開催期間 平成29年2月25日(土)~3月5日(日)
開場時間 9:30~16:00
会   場 グリーンセンター園内シャトー赤柴
 
  会場のシャトー赤柴。シャトー赤柴は川口の迎賓館として1967年の埼玉国体の時に今上天皇・皇后両陛下(皇太子・妃殿下)がご宿泊された施設だそうです。今年50周年ということで11月に記念事業が行われるようなので、その時はまた見に来たいと思います。 
 展示はホールで行われています。この展示会は川口の名工、染め師の西耕三郎氏と錫師の松下喜山氏の作品展です。
 西耕三郎氏の染めた着物が展示されています。それぞれ精緻な柄が施されています。
 半身柄違いの着物。よく見ると蝙蝠の柄です。江戸時代は蝙蝠は忌鳥ではなく福を呼ぶ鳥だったそうで、蝙蝠柄は7代目市川團十郎が舞台衣装で来たことから大流行したそうです。海老蔵のご先祖が流行らせたのですね。
才暈染洲立文の着物
  遠浅の海に簀(竹や木など)を立てて干満によって簀に残される魚を捕ることを洲立と言います。それが味わいのある柄になっています。
  日本橋風景。解説には「江戸風景図をもとに4枚の型紙に彫った。細い線の白上げは難しく、糊つくりも大変」とあります。着物の柄は型紙(江戸型紙)を使って染めます。型紙の上に乗りを塗って乾かすとその上だけ染料が付かず白抜きになります。
型紙で彫ったとは思えない精緻な柄。
 
  着物は柄とその配置が難しく、西先生はその人に会った着物を作るために実際に会い、何度も試行錯誤して製作をするそうです。機械生産では決して真似できない手作りがその人に合った着物を作ります。そのための技法なのです。ですから糊つくりから何からすべて自分でやるそうです。
  型紙染のデザインも展示されています。西先生のお父さんは本所深川の染め師に奉公し染めの技術を学んだそうです。お父さんが独立すると西先生は小さいころからその仕事を手伝い今に至るそうです。今年83歳だそうなのでものすごい年月です。現在ご子息が跡を継いで3代目。江戸・明治・大正の伝統技法を受け継いでいます。
 
  西耕三郎氏の反対側には松下喜山氏の錫製の茶道具が並んでいます。錫は奈良時代に日本に入り、当時から茶器に使われていたと記録にあります。錫は融点が低くとても柔らかく加工しやすい金属です。陶器に比べ熱伝導が50倍も早く、すぐ温まりすぐ冷えます。また、錫の匂いが移ることもありません。近年はお燗や冷酒などの徳利や猪口が人気です。また、錆びない朽ちないことから昔から縁起の良い贈答品としてつかわれています。錫は湿気を寄せ付けないことからお茶屋さんでは茶箱の内側に錫箔が貼られています。
  松下氏の茶道具は抹茶の茶道ではなく煎茶道です。煎茶道は江戸時代に文人たちに広がり明治には抹茶を凌ぐほど隆盛した時期もあり、今日様々な流派があります。
茶道にはさまざまな道具があり、これは湯呑に敷く托子です。
酒注とあるので酒器でしょうか。
 洗瓶と建水(けんすい)。右の薬缶みたいなものが洗瓶、お皿みたいなのが建水です。洗瓶の水で茶碗や急須を洗い、建水はその水を捨てる器です。建水の中に洗瓶がスッポリ収まるように作られています。
 残念ながら松下氏に会うことはできませんでしたが、氏の作品は精巧な細工や技法を使いながら、実用の道具として工夫を凝らしていることがわかります。展示は3月5日までなのでグリーンセンターに行ったらぜひ見に行きましょう。
シャトー赤柴のテラス下の芝生より。瀟洒な建物は50年前の建築とは思えないほど美しく明るい芝とマッチしています。ここでもっといろんなイベントをしてほしいな。特に芸能関係。バイオリンとかチェロの演奏会とかバレエとかね。
  お二人とも「川口の匠」求龍堂(アートギャラリーATLIA編集)に載っています。興味がある方はご一読ください。では。以上報告でした。
 

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