2019年9月22日日曜日

都市農業モデルを考える2

特別編「川口市長 市街化調整区域の都市基盤整備の提案」について

令和元年9月市議会定例会において、奥ノ木市長より所信があり、この中で多くの市街化調整区域を有する神根・安行地区について重要な提案がありました。これは川口の都市農業を考えるうえで大変大きな提案なので、今回は特別編として取り上げさせていただきます。
手前のきれいに作付けしてある畑と奥のきちんと耕作してある都市農家の畑を挟んで、左が資材置場、右が耕作放棄地です。現状の市街化調整区域の問題を凝縮している風景です。

まちづくりの画期となる提案

 市議会定例会における市長所信の中で、上記タイトルに関する部分は以下になります。
 「第4点は、構造改革特区に関する提案についてであります。
本市中央部に広がる市街化調整区域は、古くから植木を中心とする花きや、造園等の、本市のブランドを形成する緑化産業が盛んであります。また、良好な自然環境を有する緑地の保全を目的とする首都圏近郊緑地保全法に基づく安行近郊緑地保全区域にも位置付けられております。
 しかしながら、近年では、農業従事者の高齢化や担い手不足、周辺地域の市街化の進展、交通インフラの整備などを背景に、建築行為を伴わない資機材・残土置き場や墓地、駐車場等への無秩序な土地利用が進行しており、今後、さらに緑農地の減少が見込まれているところであります。

 そこで、私は、駅周辺に相応しい土地利用がされていない新井宿駅、戸塚安行駅周辺の市街化調整区域において、現在は認められていない市施行での区画整理事業による都市基盤整備ができるよう、昨年末、内閣府に対し、構造改革特区の提案を行ない、国からも実現に向け検討を進めるとの回答をいただいているところであります。
 この提案は、両駅周辺の計画的な土地利用を効果的かつ効率的に実施できるようにするとともに、本市に残された貴重な緑農地の保全に資する良好なまちづくりの実現に寄与するものであります。
 今後は、関係権利者への意向調査や、国・県など関係機関との協議・調整を図り、新たなまちづくりの実施に向け、鋭意努めて参る所存であります。なお、関連予算につきましては、今議会に提出いたしておりますので、議員の皆様のご可決を賜りますようお願い申し上げる次第であります。」


 要約しますと、無秩序な土地利用が進行している本市の市街化調整区域において、市施行で区画整理による都市基盤整備が出来るよう内閣府に「構造改革特区」の提案を行ったということです。
 
草ぼうぼうの耕作放棄地

 市長の指摘の通り、私たちの住む神根・安行地区では資材や残土置き場が増えてきて、それと同時に、農産物価格の低迷、農業従事者の高齢化、後継者不在の理由により農家がやむなく農地を転用している事情があります。なのでこれを批判することはできませんが、放っておけば街中資材残土置き場になり、ダンプが土煙を上げながら走り回る街になってしまうのではないか?という懸念があります。当会で考えるこの「都市農業のモデルを考える」シリーズも、ここが出発点と言っても過言ではありません。

 すなわち、農業を続けたいのに労働力不足や後継者不在、あるいはその他の問題で、なし崩し的に資材置場等にならないために、農業を継続したい農家が、どうすればそのような環境で農地を維持できるのか?様々な事情により農家を続けられない農家のためにはどうしたらよいのか?都市住民と都市農家双方の利益に繋がるモデルは何なのか?を模索しているのです。
 しかしながら現在の法令上では市街化調整区域では土地利用に制限があり、資材置場などになるのもやむを得ない状況があるのが現実です。その意味で今回の提案は農家、それから良好な住環境を望む住民にとってもメリットが大きい、まちづくりの画期となるとても良い提案だと思います。
赤山の住宅の中に色鮮やかなケイトウ。このような景色を残したい。
緑と農の調和した街へ
 神根・安行地区の特徴として、この地域は大部分が高台の上にあり、地盤が強固で地震の揺れに強い。また、水害においても一部地域を除いて浸水にさらされる危険は少ない。また、SRはもとより、高速道路が東西南北に延びる結束点にあること。浦和美園のイオンや再開店を控える根岸のジャスコなど大規模商業施設が至近にあり、また、この地域の大きな魅力となっている「けやき通り商店街」があること。また、西にグリーンセンター、東にイイナパークという2大レジャー施設があり、運動場も豊富にあり、あちこちに起伏や水辺を生かした良好な公園があり、なおかつ植木の安行に代表される農地の景観や赤山城などの史跡があり、住民の余暇と保養にとって他にはない環境が提供されていること。など大きな魅力があります。
現在の川口ジャンクション周辺。宅地化が進んでいますが、まだまだ畑や緑が残されています。 
同じ構図の終戦直後の写真。

  このような良好な環境の中で、都市農業がどうあるべきか?都市農業が地方のような大規模農業ができない以上、量的な供給を目指す生産活動はあまり意味がありません。必然的に都市農業は地方にはない利点を生かしていくことがベターと言えるでしょう。それは都市部と隣接していることが最大のメリットなので、積極的な交流を通じて都市住民と都市農家双方の利益に繋がるモデルを模索していくべきと考えます。これは単に当事者のみならず、市民の福利厚生、美観の創出と維持、人口増加、就労機会の創出など川口市全体の魅力向上に大きくプラスに働いていく可能性を秘めています。新しくは農家公園や観光農園、6次産業化などですが、無論、川口の植木や花卉栽培など伝統産業も大きな魅力です。これら良好な農地を維持するためにも行政や関係機関等に協力をいただきたいと願う次第です。
安行慈林の枝垂れ梅の畑。このような美しい植木畑が残されるのは景観的にも住民にとってもメリットがある。また、植木の街川口の大きな魅力である。

 農業を続けられず仕方なしに資材置き場に転用されていた市街化調整区域内農地が、特区制度により道がまっすぐになったり、アクセス道路が出来たり、また、整然とした住宅街が出来たりして、それが緑地と農地、古社古寺史跡と調和して利便性と環境に優れた街に発展していくことを願ってやみません。その上で当協議会は住民主体の文化活動であるとか、名勝名跡、名店、名品など地域の魅力の発信に努め、誰もが愛し誇りある街になるように今後も活動して参ります。
初詣。西新井宿氷川神社。古きを訪ね新しきを知るまちづくりでありたい。


次回に続く。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

素晴らしいです
早期に此が実現されることを望みます

新井宿駅と地域まちづくり協議会 さんのコメント...

コメントありがとうございます。地権者・住民双方にとって良き提案と思います。

Unknown さんのコメント...

いよいよ始まりますね。
自然と人間や動物(ペット)が調和できる誇れる街作りを是非お願い致します。
人しか歩けない商店街の復活やペットの特区も良いかもですね。

新井宿駅と地域まちづくり協議会 さんのコメント...

先ごろ特区法が成立しました。市にはこの機会を十分に活かして、魅力あるまちづくりを進めていただきたいです。緑、農業、自然を活かしながら住みやすい街になればよいですね。